FF12のHDリマスター版である「FFⅫ THE ZODIAC AGE」を物語をクリアするまでプレイしたのでレビューしていく。
プレイしたのは2019年4月25日発売のNintendo Switch版。
ちなみに僕はPS2で発売されたオリジナル版を一度クリア済みだ。
購入した動機はなつかしさ、久しぶりにFF12をプレイしたかったから。
稼ぎプレイをほんの少しだけして、それ以外は特に寄り道もせずにラスボスまで一直線にプレイ。約45時間があっという間に過ぎ去ってしまった。
ジョブという概念が追加され少し趣は変わったけれど、自分の好きなように育成できるライセンスシステムと立てた作戦通りに自動で戦ってくれるガンビットは他のRPGにはないFF12ならではの面白さだと思う。
*ライセンスやガンビットについては後で説明するよ。
スイッチ版をプレイしていて感じたのは起動が早く、セーブやロードも一瞬であること。オートセーブ機能もあるのでスマホを開くような感覚で気楽に遊べる。
さらに、わざわざオプション画面を開かなくても2倍速や4倍速にいつでも切り替えることができて戦闘も移動も快適だった。
広大なイヴァリースの世界を歩き回っていると本当に日が暮れてしまうので、倍速モードは絶対使いこなしたほうがいい。
他にもいろいろ改善点はあるけど、とにかく言いたいのは待ちの時間が減って快適になったってこと。
ちょっと大げさに言うと、
『本当にいつでもどこでも、ちょっとした時間でも、今日はやるぞって日も満足したプレイができるのがスイッチ版FFⅫの良さだ』ってこと。
加えてリマスター版ではやりこみ要素として新コンテンツが追加されている。
装備とレベルを引き継いで腕試しできる「トライアルモード」や経験値をいっさい獲得できない「弱くてニューゲーム」といった上級者向けの内容だ。
FFⅫ本編を一度クリアしたことがある人もきっと楽しめると思うぞ! まだプレイしてないけど。
ひととおり感想を述べたので、ここからは「FF12について」や「スイッチ版の変更点」について詳細に紹介していこうと思う。
FF12ってどんなゲーム?
オリジナル版『FINAL FANTASY Ⅻ』は2006年にFFシリーズの12作目としてPS2で発売された。
最大の特徴は ”アクティブ・ディメンション・バトル(ADB)” と呼ばれるバトルシステムだ。
FFⅫではモンスターがフィールドを歩き回っており、近づくとバトル画面に遷移することなくバトルが始まる。
バトルはリアルタイムで進行し、「たたかう」や魔法などのコマンドを入力するとゲージが溜まり始め満タンになると行動する。
また、武器や魔法にはそれぞれ射程と範囲が設定されている。
同じ「たたかう」のコマンドでも剣を装備しているときよりも銃を装備している時のほうが遠くから攻撃できる。
もちろんこれらの要素は敵も同じであり、時間と空間の概念がバトルにより臨場感を与えてくれる。
今ではオープンワールドの概念が広がり、さして珍しい光景ではなくなってしまったが、バトル画面もターンも存在しないFF12が当時異彩を放っていたのは間違いない。
そんな異彩を放っていたFF12をさらに際立たせたのがガンビットシステムだ。
オリジナル版発売から13年経った今でもFF12以外では同じものをみたことがない。
ガンビット
簡単に説明すると「自分で作った
作戦は《「瀕死の味方」「ケアル」》といったように条件と行動を組み合わせたものをいくつか設定して完成する。
見てもらった方が早いか。
これがガンビットの設定画面だ。
作戦は上にある数字の小さいものが優先される。
説明するためにこの画像のガンビットを書き出してみるぞ。
1.《「HP<50%の味方」「ケアル」》
2.《「戦闘不能の味方」「フェニックスの尾」》
3.《「目の前の敵」「たたかう」》
4.《「火に弱い敵」「ファイア」》
5.《「くらやみの味方」「ブラナ」》
このように設定したガンビットなら
なによりもまず回復魔法の「ケアル」を使うかどうかを自動で処理する。
なので「HP<50%の味方」と「戦闘不能の味方」が同時にいた場合このキャラクターは「ケアル」を使う。
もし先に「フェニックスの尾」を使って戦闘に復帰させたいなら、ガンビットの1番と2番を入れ替えればいい。
さらにこのガンビットの4番の条件「火に弱い敵」は3番の条件「目の前の敵」に完全に含まれるてしまうので、「ファイア」は絶対に使用されることはない。
条件が狭いものが上になるように3番と4番は入れ替える必要がある。
パズルゲームやプログラミングの感覚に近くかなり頭を使う分、うまくできた時の喜びは手放しもんだ。
ライセンス
ガンビットの設定ででてきた、ケアルやファイアといった魔法や武器、防具、アクセサリなどの装備は持っているだけでは使うことができず、
キャラごとにライセンスを習得することで使うことができるようになる。
オリジナル版では巨大な1枚のライセンスボードが用意され、極めれば全ての魔法と技と装備を使用できたのに対して、
リマスター版ではジョブシステムの導入により12種類のジョブごとにライセンスボードが用意され、ジョブの選択がロールを決める大きな要因となった。
ジョブは黄道十二宮をもした12種類からなり各キャラごとに2種類選択できる。
装備や使える魔法はこんな感じ
- 白魔道士/ロッド・魔装備・白魔法
- ウーラン/槍・重装備
- 機工士/銃・軽装備
- 赤魔戦士/メイス・魔装備・白黒魔法
- ナイト/剣・重装備
- モンク/棒・軽装備
- 時空魔戦士/ボウガン・重装備・時空魔法
- ブレイカー/斧・ハンマー・重装備
- 弓使い/弓・軽装備
- 黒魔道士/杖・魔装備・黒魔法
- もののふ/刀・魔装備
- シカリ/ダガー・軽装備
例えば白魔道士と黒魔道士を組み合わせて魔法のスペシャリストにしたり、ブレイカーと白魔道士を合わせてバーサクヒーラーにしてみたりと自分の好みに合わせて育成できる。
スイッチ版では序盤からライセンスをリセットできるので、あーだこーだと悩む必要もないのは嬉しい。
ストーリー
ストーリーは戦争と政治がメインで主人公の描写は他より少ない。熱い物語が好きなんだって人にはちょっと薄く感じるかもしれないな。
感情移入すると言うよりかは歴史をなぞるような、本を読んでいる感じに近い。
とは言っても、主人公を騙る空賊のバルフレアは相当に主人公しててかっこいいから見所がないわけではないことを伝えておく。
その他、追加、改善されたもの
ここからはHDリマスターやスイッチ版で追加,改善されたものを書いていく、気にしないよって人は適当に読み飛ばしてくれ。
映像と音
まずはHDリマスターということで映像と音についてだ。
映像は綺麗になったらしい。
オリジナル版やったのずいぶん前だから記憶がなくて比べられないや(笑)
超綺麗かって言われるとそこまでではない。けど普通に綺麗。
ムービーシーンやボス戦のカットインとか かっこいいよ。
音は生演奏で再録された「新録」とFFⅫ音源である「オリジナル」、そしてスイッチ版では「サウンドトラック」からも選べる。
コンフィグからいつでも変更できるぞ。
新録でプレイしたが、かなり良かった。
街やフィールドの空気感をBGMが鮮明にしてくれる感覚。緊張感や高揚感、はたまた休息のひと時が音を通して伝わってくる。
コンフィグで設定した後にBGMが切り替わると設定が反映されるようなので、一度訪れた場所に再度おもむく際には別の音源に変えるのもいいかもしれない。
ちなみに声は「日本語」と「英語」の2つから選べる。
倍速モード
上にも書いたがHDリマスターで倍速モードが追加された。
スイッチ版では倍速モードをLボタンで切り替えることができる。
Lボタンを押しながら方向ボタンの上下左右で2倍速、4倍速に変えることも可能だ。
起動とセーブロード
スイッチ版ならではの強みだと思うのがプレイする環境のハードルの低さだ。
本体の起動が早く、セーブとロードも高速、さらにオートセーブもあるのでセーブができるポイントまで戻らなくてもゲームをやめることができる。
なんならポーズをして本体をスリープしてもいい。
数時間分のまとまった時間を確保しなくていいのは今の時代に合ったスタイルではなかろうか。
ガンビット
今までガンビットは1キャラクターにつき1セットしか設定できなかった。なので地域や敵が変わるたびに大幅に設定を見直さなければならず、少々めんどうではあった。
スイッチ版では1キャラクターにつき3セット保存できるようになったことで道中、ボス、稼ぎ用のように使い分けることができる。
ガンビットの設定は意外と時間がかかるので、存分に使わせてもらった。
ジョブシステム
インターナショナル版で追加されたジョブシステムがHDリマスター時に2種類選択する仕様に変わった。
スイッチ版以外のTZAではジョブは一度決めると変更できず、「後々のことを考えると変な構成にはできない」と育成の要素としてはかかる気持ちが重かった。
しかし、スイッチ版ではこれまでできなかったライセンスのリセット(LPは戻ってくる)ができるようになり気持ち的にも自由な選択が可能になった。
ジョブや召喚獣、ミストナックも全てリセットされるので思う存分心ゆくまでライセンスの可能性を味わい尽くしてほしい。
トライアルモード
本編で育てたキャラやアイテムを持ち込んで腕試しをするモード。
本編のボスや召喚獣も再度登場する。らしい。
本編で盗みそこねたアイテムをトライアルモードで入手して本編に持ち帰ることもできるそうだ。
トライアルモードは100層まであるのだが、100層をクリアすると弱くてニューゲームというモードが解放される。
強くて?!弱くて?!ニューゲーム
本編のラスボスを倒した直後に「強くてニューゲーム」が
トライアルモードの100層をクリアすると「弱くてニューゲーム」が
プレイできる。
強くてニューゲームは初期レベルが90、LPとアイテムを引き継いだ状態で最初からゲームが開始される。
特に強敵が追加されるというわけではない(はず)ので、とってもおすすめとか超楽しみとか言えないけれど、通常プレイでは倒せなかった強敵に挑んだり隅々まで寄り道をしたりとFF12を楽しみ尽くすにはもってこいのシステムだ。
弱くてニューゲームは『全てのキャラが初期レベルの状態から経験値を獲得できない』という制限がついたモードだ。
FF12はもともとオリジナル版でも初期レベルクリアという縛りプレイが存在したため、それを公式にモードとして組み込んじゃったというわけだな。
弱くてニューゲームの状態でもトライアルモードに挑めるので、極限に挑みたい猛者にはぜひプレイしていただきたい。
まとめ
- とにかく快適になった
- 「プレイするまで」「プレイを終了する」ハードルが低い
- ジョブシステムの追加とライセンスリセットで気楽に育成
- 「トライアルモード」「弱くてニューゲーム」でやりこみプレイ
いかがだっただろうか。
過去にプレイしたことがある人は新しくなったFFⅫでかつて倒せなかった強敵やトライアルモードに挑んでみるのも悪くはないだろう。
一度もプレイしたことがない人はガンビットシステムにぜひ触れてみてほしい。
合うか合わないかは個人差があるみたいだけど僕は好きなシステムだからおすすめだ。